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居酒屋で喧嘩を冷静に収めました 稲永俊一インストラクター

会社帰りに、ある居酒屋を先輩の同僚と2人で訪れた時のことです。
オフィス街にある居酒屋だったので中には多くのサラリーマンたちで溢れていました。

我々が通された席の隣には、60代と思われる年配の方1人と、その後輩と思われる2人のサラリーマンが、すでに何杯目かの焼酎やビールを飲みながらおしゃべりをしていました。

そして我々がたわいもない話をしながら1時間ほど経ったころです。

私の隣に位置して座っていた1人が突然立ち上がり、対座していた年配の方の頭をパチーン!と引っ叩くと、「○○(名前)、てめーふざけんじゃねー!!」と胸ぐらを掴み、年配の方も「なんだこの野郎ー!」と応戦。

その刹那、年配の方の右手が動くのを感じた私は、すでに間を割って入って立っていました。

私の左手は年配の方の右腕に軽く触れ、右手はもう1人の胸元あたりに触れて、優しく押すような感じで2人の距離をとり、周りを見渡す仕草で「公共の場ですよ。みなさん見てますからやめられたほうがいいんじゃないですか?」と伝えました。

2人共、特に怒りの方向を私に向けることなく椅子に座り、バツが悪そうにしてましたが、もう1人の方の「もう帰りましょう」という合図で、3人とも帰って行きました。

3人が帰られた後、私は先輩から「よくああいうの止められるねー」と感心され、付近に座っていらっしゃった女性の数人から拍手もいただきました。

あの刹那、私が剣護身術をやっていなかったら、あの場で殴り合いが始まったか、同じように止めたとしても精神と力のコントロールが上手く出来ず、2人を刺激し、さらに興奮させた可能性もあったかもしれません。

日々、実際の様々な状況をイメージしながら、技の練度を高めていく稽古をしているからこそ、非日常を日常のように冷静に対応できたのだと思います。

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