剣護身術 公式記録
ブログ
武道未経験でも護身術は身につく?初心者がまず覚えるべきこと

「護身術には興味があるけれど、武道経験がまったくない」「運動が得意ではない自分にもできるのだろうか」。護身術を始めようと考えたとき、このような不安を持つ方は少なくありません。
結論から言えば、武道未経験からでも護身術を学ぶことはできます。ただし、一度技を習えばすぐに身を護れるようになる、という意味ではありません。護身術も身体技術ですから、身につけるためには継続した練習が必要です。
それでも、武道経験がないからといって諦める必要はありません。むしろ初心者ほど、「強い技を覚える」ことより、「危険なときに何をするか」という基本から学ぶことが重要になります。
護身術は「格闘技が強い人」だけのものではない
護身術という言葉から、素早いパンチ、豪快な投げ技、相手を一瞬で倒す技を想像する方もいるかもしれません。すると、「自分には体力がない」「身体が硬い」「若くない」と不安になります。
しかし、現実の護身で重要なのは、必ずしも相手より強くなることではありません。危険に早く気づく、距離を取る、不用意に近づかせない、逃げられる方向を確認する、必要なときには身体を動かし、その場から離れる。こうした行動もすべて護身です。
つまり、武道経験がなくても、身につけられる護身力はたくさんあります。初心者の教室選びについては、初心者におすすめの護身術とは?武道未経験者が選ぶときの5つのポイントも参考にしてください。
初心者が最初に覚えるべきこと①「危険に気づく」
護身術というと、どうしても「技」から入りたくなります。しかし、本当に最初に身につけたいのは、危険を早く察知する習慣です。
周囲を見る、不自然に近づいてくる人に気づく、違和感を覚えた場所には近づかない、逃げられる方向を確認する。危険な人物に完全に接近されてから対応するより、早い段階で気づき、距離を取れた方が安全です。
護身術は、襲われてから始まるものではありません。その前から始まっています。
初心者が最初に覚えるべきこと②「距離を取る」
次に大切なのが、相手との距離です。武道未経験の方ほど、トラブルになったときに相手との距離が近くなりすぎることがあります。
至近距離まで近づかれて突然殴られたり、つかまれたりすれば、対応する時間はほとんどありません。危険を感じたら少し離れ、正面から近づきすぎず、自分と相手の間に空間をつくる習慣をつけます。
剣護身術でも、まず相手を近づかせないことを重視しています。技を覚える前に、危険な相手との距離の取り方を知るだけでも、護身力は大きく変わります。
初心者が最初に覚えるべきこと③「構える」
突然怒鳴られたり、相手が近づいてきたりすると、武道経験のない方は、手をどこに置き、どう立てばよいか分からなくなることがあります。そのため、危険を感じたときの基本姿勢を決めておくことが大切です。
剣護身術では、両手を前に出して相手との間に境界をつくる「青眼の構え」を基本として学びます。
相手を近づかせにくくし、突然の攻撃に備え、自分の急所を護り、「これ以上近づかないでください」という意思を示します。これは相手を威嚇するためではなく、戦いになる前に危険を止めるための構えです。
初心者が最初に覚えるべきこと④「声を使う」
護身というと身体技術ばかりに目が向きますが、声も重要な護身手段です。
「近づかないでください」「やめてください」「警察を呼びます」と明確に伝え、周囲へ助けを求め、大きな声を出すことで状況が変わる可能性があります。
しかし、実際に緊張すると声が出ないことがあります。だからこそ、普段の練習で構えながら声を出し、相手を制止することも経験しておきます。技を使わずに相手を止められれば、それに越したことはありません。
初心者が最初に覚えるべきこと⑤「恐怖で固まらないための準備」
危険な状況では、頭で分かっていても身体が動かないことがあります。呼吸が浅くなる、身体に力が入る、視野が狭くなる、頭が真っ白になる。こうした状態になれば、技を知っていても使えません。
そのため剣護身術では、身体技術だけでなく、緊張した状態から自分を立て直すことも重要だと考えています。呼吸を整え、姿勢をつくり、声を出し、まず一歩動く。小さな行動で、何もできない状態から抜け出します。
初心者に必要なのは、恐怖を完全になくすことではありません。怖くても、一つ行動できるようになること。それが重要です。護身術を学ぶ意味については、護身術は本当に役に立つ?実際の危険から考える護身術の意味でも解説しています。
最初からたくさんの技を覚える必要はない
初心者ほど、「技をたくさん覚えなければならない」と思ってしまうことがあります。しかし、最初から何十種類もの技を覚える必要はありません。
危険に気づく、距離を取る、構える、声を出す、離れるという基本動作を繰り返す方が重要です。それができるようになったうえで、つかまれたとき、殴られたとき、組み付かれたときなどの対応を少しずつ学びます。
シンプルなものから段階的に積み上げること。これが初心者にとって大切です。
技は「形」から「使える状態」へ
護身術は知識だけでは身につかないため、実際に身体を動かす必要があります。最初は、相手が決められた動きをする中で基本を覚えます。
次に、少し動く相手、少し抵抗する相手、予想と違う動きをする相手というように、段階的に難易度を上げます。いきなり激しい実戦練習をする必要はありませんが、いつまでも決められた形だけでは対応力は育ちません。
大切なのは、安全に配慮しながら、少しずつ現実の動きに近づけることです。
武道未経験者だからこその強みもある
意外に思われるかもしれませんが、武道未経験であることが必ずしも不利とは限りません。経験者は、これまで身につけた競技や武道の動きが習慣になっていることがあります。
一方、初心者は、「戦わずに済むなら戦わない」「相手を倒すことを目的にしない」「逃げられるなら逃げる」という護身術の考え方を最初から素直に学べます。
護身では、強く戦えること以上に、戦う必要があるかどうかを判断することが重要になる場面があります。格闘技と護身術の違いは、護身術と格闘技の違いとは?「勝つこと」と「身を護ること」は同じではないもご覧ください。
「できるようになるまで」の速さは人それぞれ
「初心者でもできます」という言葉を、「誰でもすぐに使える」と受け取るのは少し違います。身体能力、年齢、運動経験、練習頻度によって上達のスピードは変わり、実際の危険では強い緊張や恐怖も加わります。
だからこそ、一回覚えて終わりではなく、継続して身体に染み込ませることが必要です。重要なのは他人と比べることではありません。
昨日より構えられる、距離を取れる、身体が動く、一つ技ができる。その積み重ねです。
剣護身術が初心者に最初に求めるもの
剣護身術では、初心者に最初から強さを求めていません。まず目指してほしいのは、危険な状況で「何もできない自分」から一歩抜け出すことです。
危険に気づく、距離を取る、構える、声を出す、動く、そして離脱する。一つひとつは地味に見えるかもしれませんが、現実に自分を護るためには非常に重要な基本です。
その土台の上に、つかみ、打撃、組み付き、刃物、多人数などへの対応を積み上げていきます。
護身術で目指すのは「負けない戦い」
剣護身術では、「負けない戦い」という考え方を大切にしています。これは、誰よりも強くなることではありません。
戦わずに済むなら戦わない。危険から離れられるなら離れる。必要なときには身につけた技術を使う。そして、自分や大切な人を護り、無事に帰る。それが私たちの考える護身です。
武道経験がなくても、その第一歩を踏み出すことはできます。最初に必要なのは、強さでも運動神経でもありません。「自分の身を自分で護れるようになりたい」という意識と、少しずつ学び続けること。そこから護身力は育っていきます。



